矯正されていないそのままの感性が、
自分の内側から大きく開いてきたら

あなたはどう生きますか。




消耗していたすべての力が、
完全に自分の手に戻ってきたら

あなたは何をしたいですか。







 かつては 生まれ持った野性が行くべき方向を示し、すべての人々が 自分たちの起源を語り継ぐ物語を持っていました。

それらの神聖な物語は、大いなるものと自分たちはひとつであると伝えていたのです。


 出発点を忘れた私たちの感性は、だんだん頼りなく信じられないものに変わってきました。

五感は鈍くなり、気まぐれな思いつきを直感と呼び、条件反射の繰り返しを喜怒哀楽と勘違いして
自分の現在地すらもよくわからなくなりました。


 あちらこちらでぶつかり合ったり 道に迷ったりしている人、何かがおかしいとわかっていても 狂いを修正することができずに途方に暮れている人、
笛吹きの奏でる音色に惑わされて ついそちらへ足を向けてしまう人、そしてそんな人たちを指差しながら 自らも袋小路から出られなくなっている人 ・・・。


 しかしまだ、私たちは大切なものをすべて失ったわけではないのです。

たとえば 野性の遠い呼び声をききとり、それに応える力。

たとえば 太古の風が運んでいた芳しい香りを、今ここで感じる力。

奥に身を潜めている感性を呼び覚ませば、私たちはきっと方向感覚を取り戻せるはずです。


 そこから始まる新しい道は、もうこれまでの延長線上の道ではありません。


** hakuiyuki **